花の終わり

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季節外れの桜はとても不気味だった。 見ていると言いようのない不安に駆られる。 桜の美しさよりも恐怖の方が打ち勝った私は桜の根元に転がったボールに近づく。 早く戻ろう、ゆーくんとかやちゃんとドッチボールの続きをしよう……。 殆ど走るようにボールに近づき手を伸ばそうとするとぽたり、と水滴が落ちてきた。 雨かなぁ、と空を仰ぐと女の人が木の上で涙をこぼしていてる。 その姿は、消えてしまいそうなほど儚くて。もしかしたら、幽霊なのかもしれないと、その時の私は思った。 だから、わたしが口から零れた質問は少しおかしかったかもしれない。 「おねーさん。ゆーれい?」
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