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掃除をはじめて二時間。
遊びながらやったせいで時間がかかったけど、楽しかった。
そしてそれぞれ帰路につく。
咲花は学校のすぐそばに住んでいるから一番はじめにバイバイする。
笑美と湊くんをバス停に送ってから、あたしと海翔は二人で同じ道につく。
誰もいない道を二人で手を繋いで歩く。
これだけで幸せだなあって思える。
「掃除、たのしかったね」
「んー疲れたけどなー。お前ブラ透けてたよ?」
「嘘!!」
「本当」
そんなたわいのない話しをしながら歩く。
もうそろそろ、家だ。
「あとで部屋行っていい?」
「いいよ」
「じゃあ窓開けといてね」
「わかった」
家が隣で、部屋も隣だから窓を開けて乗り越えれば全然余裕で部屋に行ける。
だから昔からよく部屋を行き来していた。
生粋の幼馴染みってやつ。物心ついたときは、友達だった。
「じゃ、あとでね!」
「おー」
くるっと回って玄関に行こうとした
けど海翔に手を掴まれた。
「なに?」
海翔はぐいっとあたしの手を引いて、にこっと笑いかけた後ほっぺに短くキスをして
「あとで」
といって手をヒラヒラと振って家に入っていった。
あたしひとりだけ真っ赤になって取り残された。ずるいやつ。
いつもそうだ。振り回されてばっかり。
友達から親友になって、彼氏に昇格した彼。
病気かと思うくらい、どきどきして止まらなくなる。
あたしはいま、とっても幸せだ。
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