解けた糸

2/7
前へ
/166ページ
次へ
朝。 目覚ましが鳴る二分前に目が覚めてしまう。 何でなのかは、知らない。 制服に着替えてる途中で目覚ましがやっと鳴る。 着替えてから、カーテンを開けると、隣人の部屋からはほぼ毎朝だけどジリリリと目覚ましが鳴り続けていて、うるさい。 窓際にはいつも砂利より少し大きいくらいの小石を瓶に入れて置いてあって、その小石を数個持って、隣の窓に投げつける。 窓に小石が当たって、ビシビシと音が鳴る。 そしてようやく目覚ましの音が聞こえなくなって、カーテンが開く。 寝癖で、しかもすっげえ眠そうな顔をした隣人…幼なじみの吉岡優衣が、おはよう、と俺に手を振る。 これが俺の朝。 普通彼氏に起こしてもらうやつなんて高校生で居ねえだろうな。 しかもあんなブッサイクな顔、よく見せれるよなあと思いつつ、そんなことさえ今は普通で、好き、嫌いの、以前に慣れてしまった。
/166ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加