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付き合いはじめてから、ある日優衣とちょっとしたことで喧嘩して、じゃあ別れるか?なんて言っちゃって、思いっきり傷付けた。見てはいないけど、きっと泣いてたとおもう。
そんで言われた。
あたしは海翔じゃないと幸せになれない。
このとき、決めた。
俺はどんなことがあっても優衣が幸せになれるようにする。
絶対。
そのためなら俺がどんなに辛くても、構わないんだ。
*************
「お願い…海翔くん…」
「…は?」
風が心地いい、プール掃除をした次の日の放課後。
俺は咲花に呼び出された。
子供がはしゃぐ公園のなか、ベンチに座ってすすり泣く友達。
「なんでいきなり泣いてんの?なんかあった?」
「さきね…今日病院でいわれたの」
全く見当もつかない俺はただ彼女の言葉を待った。
咲花は涙を拭いて、大きく深呼吸をしてから、しっかりした目で俺を見て言った。
「さき、死ぬって」
ドクン
と心臓が跳ねた。
死ぬ?
突然なに言ってるんだコイツ…
頭が追いつかない。いや、いきなり現実離れした言葉に焦っているのかもしれない。
「あと、一年生きれたら凄いかなって感じだって」
「…え?…冗談きついだろさすがに」
「冗談なんかじゃない!!」
ポロポロと涙をこぼしながら叫んだ咲花をみて、本当なんだ…と思ってしまった。
明日が見えない、そんな経験俺にはない。きっとほとんどの高校生は平和ボケして生きているから。
だけど嘘だろ?冗談だろ?なんて笑えないくらい、本気の顔だったから言葉につまずく。
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