好きな人

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高校生三年。5月なかば。 暖かい気候に、心が落ち着く。 …はず。 「一発勝負!じゃんけんぽん!」 パーとパー。 あいこ。 「…うん、じゃあ二人で掃除、よろしくね!」 なんであたしはチョキを出さなかったのだろう。 おかげで… 「プールのそうじなんてやだ!!!しかも!!なんで海翔と!」 「うるせーよ!お前があいこにしたから悪いんだし!黙れ!」 プールのそうじのじゃんけんで あたしは見事に負けた。 というのも、授業寝過ぎて先生に起こられたあたしと海翔がプールそうじを言いつけられ、二人でじゃんけんして負けた方が一人、あいこだったら大人しく二人でやろうと決めていたから。 「まーまー!アイス買ってきてあげるから、ね?」 「アイス!笑美大好き!」 「…フッ…単純」 笑美。 いつめんの一人。 大人っぽくて、お姉さんみたいな存在で、ちょっと腹黒い。 「おいソー!お前…俺の手伝いするよな?な?」 「なんで俺が!」 「よろしくソー」 湊くん。 海翔の親友。 もちろんあたしたちのいつめん。 いじられキャラで、面白い。 笑美の彼氏。 「てことは咲花もやるよ、ね?」 逃げようとしていた咲花の腕を捕まえた。 「いや、さきは今日は…」 「ありがと!咲花も手伝ってくれるって!」 「仕方ないなあ…」 咲花。 いつめん。 ちっちゃくて可愛くて…ペットみたい 体が弱いけど、そんなの気にしない。
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