プロローグ

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湯飲みを洗っていると、玄関のドアが開く音がした。ようやく母、桐崎六花(きりさきりっか・本名)がご帰宅されたと思い、玄関を覗く。 「おかえ...ってどうした!?」 玄関に立っていたのは母ではなく、先ほどご帰宅されたはずの河下だった。 河下は靴を脱ぎながら俺の顔を見て、頭にハテナを浮かべて口を開く。 「何?そのハトがエアガン喰らったみたいな顔して」 いや、豆鉄砲だろ。ハト死ぬから、それ。 「帰ったんじゃないのか?」 「着替えよ、着替え」 目線を下に下げると確かに河下は手に着替えを持ってた。良く考えれば着替え無しには風呂には入れんはな 「あんまじっと見ないでよ」 「み、見てねぇよ」 そう言われて赤面するも動揺を隠しつつ、なんとか台所に戻る。戻る際に足がおぼつかなかったわ。動揺してんのバレバレか。 河下は俺の言葉に特に何も言及することなく、俺のいる台所を通り過ぎるとバスルームに入ってった。
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