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俺が高校生になって二ヶ月が経ったとある日。その夜あれは九時を回った頃だった。
俺は自室で今日発売日であった自分の好きな歌手の新曲をヘッドホンをして聴いていた。
歌詞カードに目を通し、曲に聞きほれていると、突然物音がした様な気がした。
部屋のドアを開けて確認すると、どうやらインターホンを押している様だった。
首元にかかったヘッドホンを外して玄関へと向かう。やけにしつこくインターホンを押しているみたいでものすごく耳障りだ。
こんな木造二階建ての二階部分の一番奥「2-1」と表記された借家、つまり我が「桐崎家」の事であるが、こんな時間に一体誰がこんな迷惑な事してるんだ。
母親は仕事に行っているが帰宅時間は深夜だし、父親はいない。
知り合いにしたって時間が遅い。とにかくいち早くこのインターホンを止めるべく、俺はドアノブに手をかけ、ドアを開けた。
そこには全く見ず知らずの少女がいた。頭にはモコモコとした白い帽子を被り、髪は白銀でこれまた白のワンピースに身を包み、太ももから足にかけて白ニーソと白いブーツで全身白い中学生位の少女だった。
形容するなら「白クマ」や「狼」の子供と言ったところだろう。少女は目の前の俺を見たまま終始無言。
どうすればいいか困惑していると少女が静かに口を開けた。
「お腹空いた...」
「え」
すると少女の意見に賛同するように少女の腹がなった。
困惑状態の俺は少女を見て言った。
「何か、作るか?」
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