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時間は九時半を回った頃。俺は居間にいて、目の前には俺の作ったチャーハンをほおばって食べる少女がいる。
物凄い速さで食べている少女を見てゆっくり食べろと水を差し出す。
少女は俺から水を受け取ると一気に飲み、チャーハンを食べるのを再開する。
それにしても凄い食欲だ。
そう思いながら水のおかわりをグラスに注ぐ。
しかしこの子一体どこの子だろう?
近所の中学生が親とケンカして飛び出してきたのか?いや、それにしたって何故うちに来た?
...あーダメだ。全くわからない。やっぱ聞くのが一番速いか。
再び少女を見ると食べ終わったのかさっきまで座っていた場所に寝転んでいた。
まったく、満足そうな顔しやがって。俺は食べ終わった食器を手に取り立ち上がった。
「美味かったか?」
「うん、おかげでお腹いっぱいになった」
「そりゃ良かった」
心の中でもっと聞く事があるだろうと思いながら台所で洗い物をする。
「よし」
洗い物を終え、お茶を入れて居間に戻ると少女の姿が見当たらない。
「あれ?」
帰ったかと思いながらテーブルにお茶を置くと自室から声がした。部屋に行くと少女はヘッドホンをして音楽を聴いていた。
そういやつけっぱなしだった
「水野奈々好きなの?」
ヘッドホンを首元に移動しながら少女が言う。
「あぁ、ちなみにそれは新曲だ」
俺は入り口付近にあぐらをかいて座った。
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