Tatuya,Dream First Mission,Wandering mind,With Jun.

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一体どう言う意味なのか。 書類を手にユリ様の部屋から出て 歩いていると 「おい」 声を掛けられ振り返り、 「はい」 手を引かれ何処かの部屋の中へ。 視線をあげると目に飛び込んでくるのは 妖艶に笑う貴方。鼻を擽る甘ったるい香り。 唇は……、塞がれている。 チュッ わざとリップ音をたてて小賢しい。 そんなので私が乗るはずがないのに……、 「惇、姫がお茶をお待ちになってました。」 袖で唇を拭き、距離を積める貴方の 胸元を押してもビクともしない。 「ユリには違う奴が持って行った。 気にするな。」 無邪気な笑顔を向けられると、 胸を鷲掴みされたように痛む。 貴方は私をどうしたいのか、と 聞いてしまったら貴方はどう言うだろう。 「気にしません。 それよりも執務に戻ったらどうですか?」 「もう終わった。 忙しいと言ってもお前の事だ 2時間有れば良いだろ?」 「言い訳ない。」 「相変わらず堅いな。」 「貴方が緩すぎるだけです。」 私が貴方を好きだと言ったら 貴方はこう言う遊びを止めてくれる だろうか……。 「私は忙しいのでこれで……。」 「俺がそんなんで帰すとでも?」 「思ってますよ。Hiero」 名を呼ぶとネクタイピンが弾け飛び 私達の間に氷の壁を構成させようと 集中するも途中で炎に阻まれ惇の 足を固めるので精一杯。 力の差が大きい。 それでも足さえ固めれば帰れる。 「手を離していただけますね?」 「だったら手を凍らせればいい。」 それが出来るならとっくにやっている。 「良いのですか? 私の氷は簡単には溶けませんよ?」 「既に足をやられているんだ、 手をやられても変わらない。」
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