業火の人影

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核弾頭の影響は生物の構造にも影響を与え、一部の生物の遺伝子伝達物質DNAを変化させてしまった。 だがその変化は生物本来のものであり、放射線は間接的に彼らの遺伝子を組み換えたのだ。 …つまり生物の強靭なる生命力は、あらゆる場所に適応しようと進化したため、有害物質を自分の体で分解させる能力を身につけたらしい。 「[デンデン]は体内に硫黄を取り込んでしまった為、それを排出する器官を必要とした。 だが、体内に侵入した硫黄はカタツムリの体温で結晶化するので、[デンデン]は自身の大きさを飛躍的に増大させたんだ…ん、あれは?」 直人に[デンデン]の解説をさせていた景は、ふと視界の端に写った何か楕円形の形をした赤色の物体に目を留める。 最初は岩かとも思ったが、楕円形の物体は少しずつ移動しているようだった。 「…景、話は後だ。奴のお出ましだ」 直人が景の睨んでいた物体を一瞬視界に入れてから、空手のような握った拳を前に出したポーズをとった。 すると臨戦態勢になった直人の気配を感じ取ったのか、楕円形の物体の動きが止まる。 楕円形はゆっくりと横に持ち上がってタイヤの様な形をとった。 その全体的に赤い楕円形の側面には穴ではなく、まるで何かの貝殻のような渦巻き状の形をしていた。
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