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核弾頭ミサイルの発射は、[天防壁]を作る以外にも影響を及ぼしていた。
それが、荒廃した土地への産業廃棄物投棄なのだ。
使われること無い土地だという理由で、無秩序に廃棄物は不法投棄され結果[天防壁]の外側には外出さえも困難なほどの有害物質が溜まっていたのだった。
「…うわ、くっさ!」
「ううっ」
門の開いた隙間を通りながら、二人は外側から漂ってくる何ともいえない空気に眉をしかめた。
卵の腐ったような臭い、硫黄臭がする黄色い地面が辺り一面に広がっていたのだ。
二人が鼻と口手で塞ぎながら門を出ると、門は独りでに閉まり鍵がかかったような金属音がした。
[天罰門]は自動ドアと同じシステムを使っていて、近付くものが居れば即座に門が開くようになっている。
「…門の近くまで硫黄地質になってるってことは、そろそろ門への侵入も危ないって事だよね」
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