変わらぬ日常

7/10
前へ
/14ページ
次へ
慎司が窓の外から消え去った後、平和が戻ったかの様に退避してたクラスメート達が教室に戻ってくる。 なんつーか、これはもうお馴染みの日常なんだな。 そんな事を考えながら、俺も自分の席へと戻る。 紫音は既に席に着いて平常に戻ってた。 ハリセンもいつの間にかしまわれている。 「あいつ、綺麗に窓通って落っこちたけど大丈夫なんかね」 普通に考えたら、2階から落ちて大丈夫もクソもないだろう。 流石にマズったかと思ってる俺に紫音はニッコリ笑顔で 「まぁ、大丈夫なんじゃない」 あっけらかんと言う。 「ヌコを侮辱した天罰よ、天罰」 腕を組んでウンウン頷きながら付け加えた様に言う紫音。 天罰っていうか人災だよな…。 そうこうしている内に3時限目が始まるチャイムが鳴り響く。 キンコーン カンコーン それと同時に慌てて駆け込んで来る男子生徒の姿。 それは、先ほど華麗に2階の窓からブラックアウトした慎司だった。 「華麗に、じゃね~!!」 俺の方を向いてそう叫ぶ慎司。 だから、思考を読むなって。 「へぇ、七瀬流5連撃を浴びて無事とは、やるね慎司」 いつ流派開いたんだ、紫音は。 紫音のその言葉に慎司は腰に手を置き 「はんっ、俺の体はそこらの奴らとはデキが違うんでね」 威張った様に言う。 いや、そこは怪我負っておかないと人辞めてるぞ。 今のこの二人のやり取りはツッコミ所満載だった。 「授業始めるぞ。そこ、席に着けっ」 いつの間に来たのか、3時限目担当の教師が慎司を注意した。 注意された慎司は「やべっ」と洩らし、慌てて自分の席へと着く。 それを見てた紫音が 「まだ甘かったかな…」 そう、ボソリと恐ろしい事を呟いていた。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加