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慎司が窓の外から消え去った後、平和が戻ったかの様に退避してたクラスメート達が教室に戻ってくる。
なんつーか、これはもうお馴染みの日常なんだな。
そんな事を考えながら、俺も自分の席へと戻る。
紫音は既に席に着いて平常に戻ってた。
ハリセンもいつの間にかしまわれている。
「あいつ、綺麗に窓通って落っこちたけど大丈夫なんかね」
普通に考えたら、2階から落ちて大丈夫もクソもないだろう。
流石にマズったかと思ってる俺に紫音はニッコリ笑顔で
「まぁ、大丈夫なんじゃない」
あっけらかんと言う。
「ヌコを侮辱した天罰よ、天罰」
腕を組んでウンウン頷きながら付け加えた様に言う紫音。
天罰っていうか人災だよな…。
そうこうしている内に3時限目が始まるチャイムが鳴り響く。
キンコーン カンコーン
それと同時に慌てて駆け込んで来る男子生徒の姿。
それは、先ほど華麗に2階の窓からブラックアウトした慎司だった。
「華麗に、じゃね~!!」
俺の方を向いてそう叫ぶ慎司。
だから、思考を読むなって。
「へぇ、七瀬流5連撃を浴びて無事とは、やるね慎司」
いつ流派開いたんだ、紫音は。
紫音のその言葉に慎司は腰に手を置き
「はんっ、俺の体はそこらの奴らとはデキが違うんでね」
威張った様に言う。
いや、そこは怪我負っておかないと人辞めてるぞ。
今のこの二人のやり取りはツッコミ所満載だった。
「授業始めるぞ。そこ、席に着けっ」
いつの間に来たのか、3時限目担当の教師が慎司を注意した。
注意された慎司は「やべっ」と洩らし、慌てて自分の席へと着く。
それを見てた紫音が
「まだ甘かったかな…」
そう、ボソリと恐ろしい事を呟いていた。
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