プロローグ

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部屋から出た俺は顔を洗う為、一階に降り洗面所へ向かう。 顔を洗い、歯も磨き終わると着替えの為に二階の自室へと戻る。 そして、学校の制服に身を包まれ学生鞄と携帯を手に台所へと向かう。 一人暮らしの俺には当然、誰かが用意してくれる朝食なんてない。 買い置きしていた食パンをトースターに入れ、冷蔵庫から卵を取り出す。 それを温めたフライパンの中に投入。 蓋をし、ほどよくしたら目玉焼きの完成である。 マーガリンを塗られたトースト・目玉焼き…そして、コップに注がれた牛乳。 これが毎朝の俺の朝食である。 これだけで足りるのか?と疑問を投げかけられそうだが、一人暮らしの男子高校生としては食えるだけマシではないだろうか…たぶん。 食べながら、ふと今朝見た夢を思い出していた。 モヤがかかった様にきちんとは思い出せない。 とても温かくて。 とても幸せで。 そこまでしか思い出せなかったが、なんだか気分いい。 あの変な物体に起こされさえしなければだが…。 そんな事を考えながら、ふと壁にかけられた時計へと目を移す。 時刻は既に8時を過ぎたところ。 「やばっ」 慌てて残り小さくなったトーストを口に放り込み、牛乳を流し込んだ。 「帰ってから洗うか…」 そう言って、皿とコップを流し台に置いて学生鞄と携帯を手に玄関へと向かう。 靴を履き、玄関の扉を開けた瞬間、眩しい光が俺の目の中に入り込む。 「今日も暑くなりそうだな」 そう洩らしてしまうほど、まだ朝だというのに太陽の日差しは強かった。 「おっと、時間、時間」 手にしていた携帯で時間を確認すると本当にのんびりしてる場合ではなかった。 玄関に鍵をかけると俺は学校へと続く道を駆け出した。
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