変わらぬ日常

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ニッコリと笑っていた紫音の顔が一変して真面目に変わる。 「てか、ヌコ目覚ましプレゼントしたのに遅刻ギリとか、どゆ事?」 俺の遅刻ギリギリでの登校が気になったのであろう、そう聞いてくる。 目覚ましと聞いて俺はジト目で紫音を見る。 「どゆ事も何も、何だよ…あの目覚ましは…」 今朝の出来事を思い出し、ため息を洩らす。 そんな俺を見て『?』を浮かべる紫音。 だが、すぐに笑みを浮かべ 「めちゃ、ぷりち~でしょ?」 と、うっとり言う。 「ぷりち~かどうかは分からん…」 俺のその言葉に信じられないという顔で紫音が見てきた。 「はぁ?あのぷりち~さが分からんとか、あんたの美的センス皆無?」 ひどい言われ様だ。 「いや、外観でなくて声…」 ややダメージを受けつつ違うという事を伝える。 おそらく録音機能で吹き込んだのであろうが、アレは頂けない…。 俺の言いたい事が分かったらしく、紫音はまたニッコリと笑う。 「あぁ、インパクトあって目覚めバッチリでしょ~」 確かにインパクトあってバッチリ目覚めはしたが…。 本日、何度目だろう俺は「はぁ…」とため息を吐いていた。 紫音は確かに外見はいい…だか、中身は女子らしくとはほど遠い。 まぁ、そうだからこそ気軽に話せたりする訳だが。 「よぉ、一輝。朝っぱらから七瀬と漫才か?」 紫音とのやり取りの最中に横から割り込んでくる声。 声をかけてきた主を俺は見上げ 「パッとしない容姿にヘタレ根性の立花慎司という、これまたパッとしない名前の奴だった」 「はぁ?」 俺の突然の説明に呆気にとられる慎司。 「何だよ、それ?」 そして、何言ってんだと言わんばかりに聞いてくる。 「いや、読者の方々に説明をだな」 カメラ目線でそう答える俺。 てか、実際に現実でこんな事言ったら意味不明だな。 「つ~か…」 何か言いたげに慎司が言葉をためる。 「つ~か?」 慎司の言葉に聞き返す俺。 「誰が『パッとしないヘタレ』だよっ!!」 「あんたよっ」 キレぎみに慎司が叫んだ直後に紫音のツッコミが容赦なく突き刺さる。 紫音の綺麗な人差し指がビシッと指されて慎司が固まってしまった。 「………」 俺よりもひどいな…紫音は…。
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