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「幸助、バーガー食いに行こーぜ!」
後ろから声をかけられ、俺は振り返った。
後ろでは、ブルドッグの如く顔の潰れた友人が微笑んでいる。
いや、ニヤニヤの方が間違っていないだろう。
「バーガー食いになど行かん!
昨日カラオケ行ったおかげで金が無いんだ!!」
本当はめっさ腹減ってるんだけど、俺は丁寧にお断りをする。
ブルドッグは不満な顔だ。
「えー、良いじゃねえか!
マツクに昨日から巨乳の店員が働きだしたらしいんだぜ?」
マツクというのは、バーガーショップの名前だ。
「巨乳だからなんだよ。
俺は育ったもんには興味ねえよ」
わざとらしくため息まで吐いてみる。
予想通り、ブルドッグは乗ってきた。
「はぁ!?お前貧乳派なのか!
見損なったぞ!!」
両目が俺を睨む。
そんな視線をかわして、俺はブルドッグに背を向けた。
鞄も忘れず持っている。
「生憎貧乳派でもないよ。
じゃ、俺は先客が待ってるんで」
誤解を招かないように言っておこう。
俺は美乳派だ。
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