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――――……ふわふわと周りを飛んでいた小さな光たちがサッと散る。
「あっ」
光を追いかけるように手を伸ばしかけたその時。
「冷えますよ」
「……別に、大丈夫だし」
穏やかな優しい声の主が、柔らかい毛布をそっと私の肩に乗せた。
見上げた先では声と同じような優しい笑顔が待ち受けていて、私はついプイッと可愛げなく顔を逸らしてしまう。
だって、ありがとうなんか……、思ってなんかない、し……。
「焔さん」
「……」
「ほーむらさーん?」
「……なに」
自分でもわかる。ぶすっくれた可愛げのない表情で逸らした顔を元に戻した。
「帰りましょう?」
「……先生が言うなら」
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