二章

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「言ってくれるじゃねぇか!かく言うお前たちはどうなんだよ?まずはアイから。」 「あたし?あたしは毎朝自分でお弁当を作ってきているよぉ。」  そう言ってアイは自分が手に持っている弁当箱をヴァンに見せていた。 「そ、それじゃあエリスはどうなんだ?」 「私ならすでに食券を購入済みよ。」  エリスはヴァンに食券をこれ見よがしに見せつけながら言った。因みに食券も競争率が高く、売り切れることはほとんど無いが昼休みに買おうとすると長蛇の列に並ぶこととなる。 「くっ……!次、マリアは……。」 「あら、どうかしまして?」 「いや、何でもねぇ…………。」  ヴァンがアイとエリスの二人と同じように質問をしようとしたが途中で止めた。  何故ならばマリアの手にはいかにも高級な料理が入っています、と風呂敷に包まれた弁当がその圧倒的な存在感を表していたしていた。 「相変わらずマリアの弁当は凄いな。」  僕は毎度のことながらそう呟いてしまう。何故ならこのマリアの弁当は毎朝、専属の執事が寮まで届けてくれる。さらにその中身は高級料理のオンパレードとなっている。  取り敢えず自分に専属の執事が居る時点で、僕にとってはもはや別次元の話だ。 「おい、ヴァン。そんなことしていたら購買売り切れちまうぞ。」  とレムスは時計を見ながらヴァンに告げた。 「やっべ、オレは先に購買に行ってるから席の確保を頼む!」 「言われなくてもぉ、そのくらいはするよぉ。」  アイが間延びした返事を返す。 「頼んだぜぇ!!」  そう言うとヴァンは風の様に走り去っていき、地下への階段を三段飛ばしで降りていった。  ふと、レムスの方を見たエリスが疑問を投げかけた。 「そういえばレムス、あんた弁当も何も持っていないように見えるけど昼ご飯はどうするのよ?」  言われてみれば確かにレムスは手ぶらで来ている。
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