第二話 危険と安全は紙一重

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余所で相変わらずふざけている春樹とは裏腹に、黙々とパソコンに向かっている武。 武が所属している部署は、パソコンのウイルスを防ぐ方法を発見したりする「情報処理課」である。 その名のとおり、デスクワークが主になる。 「あの~、霧島さん?」 一言も喋らずにキーボードを打っている武の横から弱腰で武に話しかける上司。 「何でしょう?」 「さっきの朝礼で、今日はいつも通りウイルスの予防策を考える予定なんですけど。」 「はい。」 「それは一体何をしているのでしょう?」 「何って、裏社会の情報網のハッキングですけど。」 「それって、バレたら相当まずいんじゃないですかね。 と言うか、そんなの見てどうするんですか?」 「変な動きがあるかのチェックです。」 「へ、へえ・・・、すごいですね。」
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