第二話 危険と安全は紙一重

10/23
前へ
/338ページ
次へ
倉庫の外壁を登り、窓から中の様子を見ている武。 その下で史郎と春樹は武からの合図が来るまで待機している。 すると、春樹が武に声を掛けた。 「あ、そうだ。史郎これあげる!」 と言って、リュックを漁る。 その後ろ姿を見て、史郎は嫌な予感しかしない。 「お前からのプレゼントなんて、どうせろくな物じゃないだろ。 この間の腕時計と言い・・・。」 「大丈夫大丈夫! 今回はそんな危ない武器じゃないって!」 「さあ、どうだかな。」 すると、春樹のリュックから1着の防弾チョッキが出て来る。 「なんだ、ただの防弾チョッキじゃないか。」 と、率直な感想を言うと、春樹はちっちっち、と人差し指を降って否定する。 「違うよ~、これは防弾チョッキと言っても、弾だけじゃなくて刃物からも 守ってくれる優れ物だよ! 言わば、防刃防弾チョッキって言う所かな。」 エッヘンと誇らしげに胸を張る春樹。
/338ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加