無駄に永く

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70年後…… 古びたアパートの一室…… 一人、布団に横たわる老人…… (ワシはもうすぐ死ぬ……) 苦しそうに咳をする老人。 (赤ん坊だったワシは、老人の住む部屋で発見された。その老人も行方不明となり、一人の身寄りも無いワシは……まさに天涯孤独……楽しいことなど一つも無かった) スッと目を閉じ、顔を震わせ……泣き始める老人。 しかし、ふと泣き止むと、不思議な感覚にとらわれていた。 「何故じゃろうか……不思議と永く生きた気がするのう……人の倍くらい」
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