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教室の中には職員用の業務机が三つ、丁度部屋の中央を陣取るように接続して置かれている。
壁際には大きな棚が六つ。ここには教科書から漫画、はたまた声に出して読めば子供が喜びそうな絵本までもが、種類毎に分類されて詰められている。
部屋の奥に備え付けられている大きな窓からは、今ならばきっと鮮やかな陽射しが射し込むに違いないのだが、それはぴしゃりと閉じられたカーテンで遮られている。
そして、部屋の隅にはストーブ、扇風機といった面々が配置されている。
若干窮屈な印象を受ける部屋だが、掃除は隅々まで行き届いている様で汚い印象は無い。
そして、部屋の中には三人、生徒がそれぞれの席に就いている。
教室に入って右側の机には小柄な男子生徒が座っている。少し髪が長く、後ろ髪の端がハネている。顔はまだ幼さが残っているようで、
一人は中央の奥の窓側の机に座っていて、前髪が目を隠してしまう程に長く、頭がもっさりとしている。左目だけは前髪を少し横に分けている為見る事が出来る。目付きが悪く、少々腫れぼったい目の下にはクマが陣取っている。
その教室に今、来訪者がやって来た。
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