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欲しいモノなんかなかった。
与えられるのが当たり前で、
向こうから男も女もよってくるから。
だけど、
灯は違う。
俺が必死に求めないと、消えてなくなりそうで不安になるんだ。
誰かに取られそうで…
灯の火照った身体を全身で求めてしまう。
後ろにあるベッドに灯を押し倒して、唇から首へと舌を這わせていく。
「灯…好きだ…」
「ぁっ…待っ…ん」
熱い吐息を吐く灯が、艶めかしくて…
灯が俺以外の奴を見るだけでも嫉妬に駆られるのに気づいてから、
俺以外の奴の名前を呼ぶのも嫌だ。
自分の中にこんな感情があったなんて、知らなかった。
灯のシャツのボタンに手をかけたら、ビクリと震えて不安そうな瞳を向けられる。
その瞳が今にも零れ落ちそうな涙で潤むのをみると、
自分が酷い事をしている気になった。
「灯は俺だけのモノだ。俺以外の男から貰うな」
「え……それ…て」
…ヤキモチ?
「悪いか」
「…………うれ…しい」
そう言って泣きながら笑うから、灯の涙に口付けた。
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