◇いち

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…結局、それ以上食べる事が出来なくて片付けた。 僕の為に作ってくれた日向に、悪い事をしてしまった。 「………ごめんね…優真」 机の上に置いてある写真立てを手に取ると、瞳を窓の外に向けた。 名前の通りに優しい性格の友人だった。 僕とは違って、とても可愛らしい友人だった。 「…僕にもっと力があったら…」 何も出来ない自分が歯痒くて… 情けなくて… 「………ハァ」 結局、朝方まで眠れなかった僕は… そーっと帰ってきた日向が僕の部屋を覗いて、頭を撫でていったのを知っていた。 日向に心配かけていると思ったら、申し訳なかった。 …日向は、僕がしている事を知ったら怒るだろうな。 朝早く学校に行って、生徒会室の掃除から1日が始まる僕は… ゴミ捨てをしに校舎裏にある焼却炉に向かった。 「……寒」 今日は比較的暖かい筈なのに…と、小さな溜め息をついて踵を返した時… 肩を勢いよく押されて後ろの焼却炉に倒れこむ。 ガン!と背中と後頭部を打ち付けた僕は、ぐらぐら揺れる視界に数人の生徒が笑っているのを見た。 …あぁ、またか。
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