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…結局、それ以上食べる事が出来なくて片付けた。
僕の為に作ってくれた日向に、悪い事をしてしまった。
「………ごめんね…優真」
机の上に置いてある写真立てを手に取ると、瞳を窓の外に向けた。
名前の通りに優しい性格の友人だった。
僕とは違って、とても可愛らしい友人だった。
「…僕にもっと力があったら…」
何も出来ない自分が歯痒くて…
情けなくて…
「………ハァ」
結局、朝方まで眠れなかった僕は…
そーっと帰ってきた日向が僕の部屋を覗いて、頭を撫でていったのを知っていた。
日向に心配かけていると思ったら、申し訳なかった。
…日向は、僕がしている事を知ったら怒るだろうな。
朝早く学校に行って、生徒会室の掃除から1日が始まる僕は…
ゴミ捨てをしに校舎裏にある焼却炉に向かった。
「……寒」
今日は比較的暖かい筈なのに…と、小さな溜め息をついて踵を返した時…
肩を勢いよく押されて後ろの焼却炉に倒れこむ。
ガン!と背中と後頭部を打ち付けた僕は、ぐらぐら揺れる視界に数人の生徒が笑っているのを見た。
…あぁ、またか。
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