1148人が本棚に入れています
本棚に追加
「平凡の癖にいい気にならないでよね。アンタなんか会長様は相手にしないんだから」
「いい気味」
「!」
バケツに入っていた水を僕にかけると気がすんだのか…
彼らは笑いながら去っていく。
「………ぅ」
ズキズキ痛む頭のせいか、身体に力が入らない。
霞む視界に映ったのは…
大切な友人の後ろ姿だった。
…………優真
意識が浮上して、最初に見たのは…
白い天井だった。
……どこ
「気がついたか?」
白いカーテンが引かれて、現れた人物は…
この学園の保健教諭で。
どうやら僕は保健室にいるらしかった。
「…せ…んせ…っ」
「あぁ、喋んな。目眩や吐き気はするか?」
「……っ…」
ズキズキ痛む頭に目眩やら気持ち悪さが重なって、返事も出来ない。
「ゆっくり深呼吸しろ……そう…ゆっくりでいい」
背中を擦ってくれる暖かい手が、僕の心を落ち着かせてくれる。
暫くすると、呼吸も落ち着いた僕の額に手をあてた。
その冷たい手が気持ちよくて、目を閉じた。
,
最初のコメントを投稿しよう!