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「熱たけーな…病院に連絡…」
「駄目!……ぁ…大丈夫…ですから…仕事しな…いと…っ」
額から手を離しながらいう先生の手を掴んで、思わず叫んでしまったけど…
先生の鋭い批判する瞳に、
徐々に語尾が小さくなって俯いてしまった。
「………ハァ。椎名、お前は親衛隊で役員じゃねぇだろ。少しぐらいあいつら自身にやらせろ」
「っ…でも…」
僕がやらなければ…また…
「…お前がここにいるのは、あいつらに知らせてあるから心配すんな」
知らせてある?
…何を?
「悪いが、お前これで何度目だ?その身体にある殴られたのも最近だろ。そんなに我慢してまであいつらに尽くす謂れは何だ?」
「……っ」
誰にも…日向にさえ隠していた身体の傷を見られた事に、動揺して瞳を背けてしまった。
僕が総隊長になってから、何度かここにお世話になるという失態もしているから…
誤魔化す事は出来ない。
でも…
でも…
僕を殴る事で、優真と同じ目に合う被害者を減らしている事も事実だから。
唇を噛み締めて何も言わない僕に、先生は深い溜め息をつくと…
僕の頭を撫でた。
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