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………夢を見た。
まだ楽しかった頃の夢を。
僕が笑って、
日向も笑って…
優真が笑顔で…
まだ恋愛なんて知らない、友達同士でじゃれるのが楽しかった頃の…
ねぇ、優真
優真は幸せだった?
好きになった人に抱かれて、ただの性欲道具だったとしても…
僕があの日、優真を1人にしなければ…
優真は…
死なずにすんだのに
「……き……にき!……兄貴!」
目を覚ますと、目の前に日向が泣きそうな顔でいた。
何で日向がいるんだろうか…
「よかっ…兄貴…先生に抱き抱えられて帰ってくんだもん…そのまま丸1日起きねぇし…あに、兄貴も…目…覚めなかったら…っ」
……日向
「…なた………ごめ…ね」
「あに…きー…」
石垣先生は、僕を家に連れて帰ってきてくれたらしい。
それから丸1日魘されている僕を見て、日向は付きっきりで看病してくれた。
それなのに…
日向に辛い事を思い出させてしまった。
ごめん…
ごめんね、日向。
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