◇ご

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「…なんか……すいません」 「何で灯が謝る」 「え…日向の事だから?」 あれから番犬が友人と喧嘩を始めたから、灯の手をひいて灯の部屋に行った。 灯らしい暖かい室内に、ベッドの傍にあるでかい狼のぬいぐるみが気になったが… 「あ…それ………この間、神流君が帝先輩にそっくりなの見つけたからあげるって……ふぇ?」 俺の視線に気づいたのか、不思議そうに言うが… ちょっと待て。 「…いつの間に、名前で呼ぶようになった?」 灯の腰を抱き寄せて聞けば頬を染めて瞳をさ迷わせる。 俺の眉間のシワに気づいたのか、不安そうに見上げてきたから… 「…んっ」 その唇を塞いだ。 驚いたのか、ビクリと反応した灯の頬に優しく手を添えて… 「お前は俺のモノだ」 「!……ぁ……っふ」 ふるりと震えた灯の唇を再び塞ぐと、トロンとした眼差しを閉じた。 折れそうな程細い身体を優しく抱き締めて、俺の理性を試すかのような甘い香りに支配されるんだ。 今まで誰かを愛しいなんて思った事はないから、 優しくしたくても、どうしたらいいかわからない。 ,
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