◇いち

4/14
前へ
/64ページ
次へ
「椎名君が総隊長になって、もう半年がたつんですね。慣れましたか?」 「…いえ、あの…すいません。僕の力量不足で…」 親衛隊による制裁を大分なくす事は出来たけど、完全になくなる事はなかった。 今も、親衛隊からの被害届が処理されたばかりだったから。 僕は、自他共に認める平凡で何も誇れるものがない。 自分にもっと力があったら…って、いつも思っていた。 「そんな事ありませんよ?現に半年前に比べて、被害届も半分以下になってますから。もっと自分に自信を持ってもいいんですよ」 僕の頭に手をおいて、優しく笑いかけてくれる副会長様は… こんな僕を気にかけてくれる。 「……は、はい」 「ふふ。お顔が真っ赤ですよ」 「………ぅ」 からかわれているとは知っていても、やはり恥ずかしい事には変わらない。 「「あー!由岐ちゃんがしーちゃん口説いてるぅ!」」 そっくりな顔の2人は、書記を務める相楽 千里(サガラ センリ)先輩と知里(チサト)先輩。 とても可愛らしい容姿で、悪戯が大好きな双子だ。 右に泣き黒子があるのが千里先輩で、左に泣き黒子があるのが知里先輩。 とても仲良しなんだ。 ,
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1148人が本棚に入れています
本棚に追加