◇いち

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僕の名前は、椎名 灯(シイナ アカリ)。両親は、生まれてくるのが女の子だと信じていたらしい。 せめて漢字だけでも変えて貰った事に、感謝をするべきなんだろうか… 「…あの…どうぞ」 「…ん」 書記を務める張間 浩太郎さんは、僕と同じ2年生。 あまり喋らないのは、日本語が苦手だからと教えてくれた。 「いつもありがとうねー!」 へらへらといつも笑っているのが、会計を務める秋月 神流(アキツキ カンナ)さん。 彼も僕と同じ2年生。 「あれー?しーちゃんの分はー?」 「あ…僕は…これを終わらせてからにしますから」 「えー!一緒にお茶しよー?」 「神流。椎名君を困らせてはいけませんよ」 「由岐先輩ってー、しーちゃんには甘いよねー」 「真面目で素直な子には優しいですが、貴方も私に優しくされたかったとは思いませんでした。今日も朝から空き教室で盛っていたと聞いてますが…」 「いただきまーす!」 黒い笑みを称えた副会長様には、誰も逆らえないようで… 唯一、副会長様の話をきかない会長様はというと… …朝から、奥の仮眠室から出て来なかった。 ,
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