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「片付けとけ」
威圧的な声が聞こえて、一瞬ビクリと反応してしまい、
顔をあげると、会長を務める巽谷 帝(タツノミヤ ミカド)先輩がいた。
「またそんな事を…」
「うるせぇな。俺の親衛隊なんだから勝手だろうが。てめぇももう帰れ」
「会長様ぁ!また僕を指名して下さいねぇ!」
会長様の後ろから、頬を染めて見上げる可愛らしい男の子は…
僕を見ると、冷たい眼差しに変わった。
彼も会長様の親衛隊の子なんだけど、皆が皆僕を認めている訳ではない。
それでも、大好きな会長様にどんな理由でも抱かれる事で納得しているみたいだ。
僕が生徒会室を出入りしているのは、生徒会と親衛隊との交流の為だと彼らは知っている。
都合のいい橋渡し的な存在。
誰もこんな平凡を絵に描いたような奴を、相手にしないから。
生徒会の仕事の雑務を僕がする事で、隊員は会長様と行為が出来る。
だから、
皆は表立って文句を言えない。
会長様に珈琲を出して、奥の仮眠室に向かうと…
その室内の形状に吐き気さえ込み上げてくる。
真っ先に窓を開けて、情事の激しさをわからせるシーツを剥がして視界から消すんだ。
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