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「学生の指導、とか。
論文の、急な直し、とか。
突如講義の受け持ちも増えたし。」
「ーーーー…。…ほぅ?」
優真は、特殊な高校を卒業後アメリカの有名どころに進学し、そのままそこに在籍して研究を続けている。
普通に…と言うのも妙だが、自分で考えるところのごく一般的なサラリーマンをしている阿部とは、世界が根本的に異なる。
そんな優真が、彼の生活を僅かばかり説明してくれても、阿部にはうまく想像できなかった。
しかしそんなコトは、阿部は始めから想定内だった。
それでも、言い訳するのが大事だろ?
その態度が、重要なんだよ。
内容は、二の次。
そんな意味を込めての、
「ほぅ」
だった。
まぁただ、
たじろぎながら頑張って言い訳する優真を見たかった阿部の、満足しました、という意味の返事でもあるのだけれど。
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