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女王様は花畑に行って、キマの名前を何度か呼びました。
返事はありませんでした。
女王様は不思議に思って、花畑の中を進みました。
すると、花畑の中でもいちばんうつくしい花がさいているところに見なれた黄色くなっている服を見つけました。
女王様は、キマだと気づいてドレスが汚れるのもかまわずにかけだしました。
けれど、キマの近くにきた女王様は、おどろいてしまいました。
キマが、お腹のところを真っ赤にして、やさしい顔でねむっていたからです。
ようやく女王様は、キマがもう死んでしまっていることに気づきました。
女王様は、キマの小さいからだをだきあげました。
そして、涙をながして、いつかキマと歌ったあの歌を歌いました。
うつくしい花畑に、うつくしい歌声が、一つだけ、かなしそうに響いていました。
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