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…私は公立向ヶ原(むこうがはら)高校二年四組、吉原早苗(よしわらさなえ)。
学級委員長をやっている。
勿論学力は常にトップ。
学年男女問わず毎回のように告白される。自慢じゃないけどね。
私のどこが良いかなんて私自身分からない。
でもまぁ、告白される分には悪い気はしないから良いんだけどね。
「早苗~今日も部活ー?」
「ごめんねー、また誘って!」
部活は剣道部。
顔に似合わないと良く言われるけど、似合わないから何よ?って話で。
お父さん譲りなのよね、体動かすの好きなところ。
今日は後輩に稽古をつけてあげる約束をしてるもんだから、急いで鞄を持って教室を出て剣道部の部室へ向かう。
後輩より後に行くのは先輩として恥ずかしいしね。
そんな私は小さい頃から剣道やってて、今の段位は三段。
周りからは強い強いと持て囃されるけど、まだまだヒヨッコだと自分では思ってる。
「よろしくお願いします」
扉を開け、一礼。
これは私のなりの流儀。
剣道とは礼節をとうとび、信義を重んじる。
何より、礼儀を必要とするのが剣道。
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