お互いの日常

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それから数時間後。 ドームから少し離れた場所にある某ファミレスにて。 「見たかよ、あの吉原のブレーンバスター」 「がっつり決まったな、あれ」 「俺あれ見てたら誰でも良いからブレーンバスターキメたくなったぜ」 「通り魔かよお前は」 「違ぇよ、スタンリー長政だよ」 「下らねぇ」 「やっぱうめぇ、ここのナポレオン」 ナポリタンな。それに今お前が食ってんのはカルボナーラな。 ボケにボケを被せすぎだよあんた。 「それよりよ、飯食ったらどうする?帰るか?」 そう聞かれると、自分が頼んだハンバーグをつつきながら考える。 「んー、帰るわ。どうせやることないだろ」 「まぁなー。俺も行かなきゃならねぇとこあるしな、すまねぇ盟友」 「忙しいなお前」 「まぁな。俺のスケジュールは流星の如く動いているんだよ」 カルボナーラを完食し、その少しした後俺もハンバーグを完食する。 ここのファミレスのハンバーグはかーちゃんが作るハンバーグより美味い。 「じゃ帰りますかね、友よ」 「はいよ」 さっさと会計を済ませ、外に出る。 駅に着くまでベラベラとプロレスについて語る長政君。聞き流す俺。 電車に乗っても永遠とプロレスについて語り続ける彼。聞き流す俺。 その表情はとてもイキイキしていて楽しそうだ。 そんな楽しそうな彼が駅に着き駐輪場に向かった後、おかんZ-2に乗ってそのまま颯爽と帰って行った。 奴の背中を見送る途中、溝に嵌って思い切り転倒していたが見なかった事にしようと思う。
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