お互いの日常

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「ただいま」 俺んちの家族構成は父親、母親、姉貴と俺、そして犬の4人と1匹家族。 親父は普通の中小企業の部長をしている。趣味が幅広く、最近では新しく買った一眼レフで姉貴のパンティを撮っていた。生粋の変態。 母親は普通の専業主婦。近所のママ友とお茶するのが好きらしい。チンジャオロースが絶望的にマズい。 姉貴は普通の大学3年生。私服のセンスが絶望的にダサい。親父とマグロを炙って食べるか生で食べるかで只今絶賛大喧嘩中。 犬。犬種はミニチュアダックスフンド。名前はフンドシ。親父がつけた可愛げもクソもない名前。 最近姉貴が改名しようと必死に「雄哉」と呼んでいる。 好きな人の名前らしいが、フンドシよりタチが悪い。 そもそもフンドシ雌だし。 「誰もいねーのか」 返答がない。どうやら家族全員出払っているらしい。 「お、フンドシ。お前だけは俺を裏切らないな」 「ワフッ」 自慢の短足で駆け寄って来るフンドシを抱っこしてリビングへ。フンドシって呼ばれて尻尾振ってんのはこの世界でお前だけだと思う。 フンドシを降ろし、リビングの机に置いていた置き手紙を見る。 「…秀吉が帰ってこないのでお父さんとお母さんと美里でご飯行って来ます。冷蔵庫にチンジャオロースあります」 …コンビニコースだな、こりゃ。
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