高二の七月でした。

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男女別の体育に慣れている俺らからすれば、それは珍しいことだった。 『教科担任が休みで教師が1人でも面倒がみれるように』と、来週測るはずだった長距離走の記録をとることになった。 「とりあえず校庭2週ー!ちゃんと体ならしといてねー」 職員室に記録表を忘れたらしい教師が間延びした声を残して校舎に消えていく。 期末も終わって三週後には待望の夏休みがまっているこの時期、多くの生徒がダラけやすくなる。 受験や就職が迫っている訳でもない一・二年は、特に。 そしてそれは例外なく俺も含まれるわけで。 あー、こんなあっついなかで走れとかふざけんな。 熱中症でぶっ倒れるっつーの。 去年は真面目にやりすぎたせいで、蓮陸だのなんだのめんどかったし。 どさくさに紛れてサボってしまおうか。 あぁ、ほんとめんどくせぇ。
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