4人が本棚に入れています
本棚に追加
「そういうこと! それでね、ここ何日かはこの畑の白スイカしか狙われてないみたいなの。今日もここが狙われると思う」
となるとこの白スイカ畑だけを見張っていればいいのか。
「そこで、私の出番だ。私の家からはこの農園が一望できる。君達兄妹は今夜は私の家に泊まりなさい」
「いいんですか?」
「もちろんさ。あの兄妹勇者を家に招くことができるうえに魔物退治までしてくれるというのだから」
話がまとまり、近くの丘の上にあるというルドルフさんの家に移動して俺達兄妹は詳しい作戦を決める話し合いをすることにした。
「ようこそ我が家へ。さあ、こっちがリビングだ。くつろいでくれたまえ」
『ありがとうございます』
お礼の言葉がそろったウェザー兄妹だった。
その後ルドルフさんは紅茶を用意すると言ってキッチンへと足を向けた。
紳士的な態度、広い家、部屋の趣味、服の趣味。なんだかルドルフさんは農家という感じがしない。具体的にどんな職業が似合うかと問われると答えられないが少なくとも農家は似合わない。
あ、でも村長とかやってそうなイメージだ。
「ラヴァウルフは2匹捕まえようぜ。片方は俺が撃つ。もう片方はレインの魔法で仕留める。同時にな」
「うん、でもなんで2匹なの?」
「攻撃外したり、ミスって殺したりしたら巣の場所分かんなくなるから。保険にな」
「ああ、なるほどね。攻撃に気付かれたら魔物は多分逃げ出すからってことでしょ?」
「そう。反撃してくるか逃げるかは分からないけど、もし逃げられた時に手元に最低1匹ラヴァウルフがいないとダメだからな」
「じゃあお兄ちゃんの言う通り2匹捕まえよう。夜までまだ時間あるし、少し寝ちゃっても大丈夫かな?」
「大丈夫だろ。早めに休んで、暗くなったら起きようぜ」
「はーい」
「さあ、ミルクティーを淹れてきた。作戦は決まったのかい?」
タイミングを見計らったようにルドルフさんが紅茶を持ってきてくれた。紅茶には詳しくないが、良い香りがする。
「はい、決まりましたよ」
「どんな作戦なんだ?」
最初のコメントを投稿しよう!