6人が本棚に入れています
本棚に追加
「何言ってるのお姉ちゃん。私だよ玲奈(れいな)。忘れちゃったの」
全く思い出せない。
そもそも私の髪は黒。巫女は橙それがわかって言ってるの?
可能性として有り得ない。
「そもそも両親から生き別れたって話すら聞いたことがない。それなら貴方のお姉さんのフルネーム言ってみてよ」
これで人違いであると証明できるはずと、私は信じている。
「御中主 巴(みなかぬし ともえ)♪」
巫女は嬉しそうな顔でそう答えた。
間違えを恐れない堂々としたその表情羨ましい。
是非ともその恩恵を頂きたいものだ。
そんな事より私の名前は、御中主 巴。
巫女のお姉さんの名前は、御中主 巴。
ほら違うじゃん。
今から警察の所へ行ってお姉さんの身元を探して貰うからね。
え…
「嘘だ!」
「お姉ちゃん。そんな古典的なノリツッコミされても反応に困るから止めて。恥ずかしい」
「嘘だ!嘘だ!嘘だ!認めない。私に巫女服を着る妹がいるわけがない」
玲奈と名乗る妹はジト目で騒ぐ私を止める事なく見守り続けた。
最初のコメントを投稿しよう!