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「あーあ、せっかくの可愛い顔が台無しだ」
今までの雰囲気をぶち壊す呑気な声。
涙も止まり……いや、それどころか引っ込みそうな勢いだ。
「なっ……だ、誰が!!お前は確か、保健医の……」
「如月遥斗でーす」
……なんだコイツ。
間延びした口調といい、ポケットに手を入れた気怠げな立ち方といい。
ここまで白衣が似合わない人間はそうそう居ないだろう。
如月 遥斗(きさらぎはると)。
今年度うちの高校に赴任してきたばかりの養護教諭。
……クラスメイトが噂していた“学校が似合わない教師ナンバーワン”ってのは本当らしい。
細めの八頭身で、ハニーブラウンの少し長い髪は無造作にかき分けているかのように見えてしっかりセットされてある。
上半分を束ねていて、なんだかホストみたいだ。
横に流した長めの前髪から覗く色っぽい流し目と泣きぼくろ。
肌は白くてスベスベで、鼻筋はシュッと通っていて。
この人は常に口角が意地悪げに上がっていて、どこか胡散臭ささえある綺麗に整った顔だ。
おまけにスタイルもよくて八頭身。
これだけ大人の魅力がない限り、首元に光る高級そうなネックレスを輝かすことはできないだろう。
まぁ、これだけの容姿だったらイケメン教師とかなんとか騒がれるのも無理はないか。
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