beautiful myth Ⅴ

春

サラたちが入っていくと中の武人は一斉にサラたちに敬礼した。いいよとジオが言うと、もとのように修行を再開する。

いまだにサラはこの待遇に慣れない。ジオがいてくれなければあたふたとやめてくださいとか、隊長らしくない姿を見せることになる。

でも武人の大半は、そんなサラがいいらしい。ジオが聞いた話だが。

「今や五番隊志願者は急上昇中。オスカーもライトもいるし、隊長がこんなにかわいいからな。」

さらっとのろけてくれる。サラは恥ずかしくなり、ジオに軽く体当たりした。サラなりの喜びの表現方法だ。

なんだか動物みたいなしぐさだが、いとおしくなる。だからライトにもクレイにもサラを渡す気はないジオである。