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どうやらさっきの金網のそばには燭台があったらしい。燭台に立てられたロウソクのすぐ後ろの金網には、そこだけ菱形の鉄板が付けられていた。風よけだろうか?何気なく近づくと燭台に薄汚れた鉄の棒が立てかけてあるのが見えた。
棒の先が二股に分かれてる。色々と使えそうだな・・・。ん?
棒を拾おうと手を伸ばした時、足下にある手のひら大の石が目にとまった。
この石・・・ハートみたいな、変な形の石だ。お尻にも見えるし・・・拾っておこう!
「ぽ、ポルターガイストだッ!」
(おお、いい反応だ)
志穂ちゃんにはどうやら俺が持ち上げた棒と石が浮いてるように見えたらしい。やっぱり自分の姿が見えないとなると、イタズラ心が疼くよな・・・。
ちょっと勢いよく棒を持ち上げてみると志穂ちゃんはビクッと驚いていた。小さな石を近くに投げてみるとその音にすぐ振り向いたり・・・
くくく、ちょっと面白いな。
ってこんな事をしてる場合じゃなかった。早く出してあげないと・・・。
改めて周りを見渡すと、もう一面の壁にも燭台があった。ロウソクの後ろにある壁には星形の紋様が描かれてる。呪術的な意味でもあるのか?
その紋様のすぐ脇には壁に文字が刻まれていた。読んでみよう・・・
赤黒キ ケガレ祓ウ呪符 炎 禁ズル
束 ブチリト刺セ 魂ハ写シ絵 鏡絵
この洞窟は、一体・・・
燭台は最初のほこらの脇にもあった。そこには目のマークが描かれていた。他にももう1本。これで燭台は4本見つかった。こっちのロウソクの後ろの壁には三角形が描かれているようだ。
このマークに何か意味があるのかと眺めていると、三角のマークの上で黄色い物が小さく光りを反射していた。
鍾乳石に鈴のような物がくっついてるが・・・長い年月のうちに溶け出した鍾乳石に呑み込まれたのだろう、力を入れてみたが外れない。
鈴を諦めると、薄汚れている木で出来たテーブルのような物を見つけた。
この台は何だろう・・・。なぜか、不安を感じる。近づいて・・・見てみよう。
嫌な感じを振り払いながら台に近づいてみると、
(・・・っ!)
何だよ、これ・・・台の上には、まるで事件現場のように人の体の形をなぞって描かれたような線があり、台全体に無数の釘が打ち込んであった。そして、人型の線の中を埋めるように赤黒い錆のような汚れがベットリ付いている・・・
気味は悪いが、釘は何かの役に立つかも知れない。そう思って、さっき拾った鉄の棒の、二股になってる部分を釘にあてがった。
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