将来

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「咲の家に泊まっていいのか!?」 「遊びにくるんじゃねーぞ?」 「おう!」 ――咲の家―― 家にある教科書を全部持ってきてって言ったけど…。 「1年の時のからあるぞ!」 うん…。 それは嬉しいんだけど。 「何でこんな綺麗なわけ?」 普通に使ったら折り目とか……ねぇ? 重要な所にマーカーが引いてあるのは仁だろう。 「俺、学校に持って行ってないし、持って行ったとしても机の上に出すだけだからじゃね?」 勉強する気無しってことね。 本当に進級出来たのは仁のおかげなんだ。 「じゃあ、早速始める。まずは、このテストをやってくれ!」 「オッス!!」 数学は多分いけると思うんだよね。 一年の問題ばかりだし……。 「できた!」 「じゃあ採点するな!」 「おう!」 ―――――。 ―――――。 蓮…… 自信満々に返事したよね? 「咲、どうだ?」 「……」 どうって言われても。 「悪かったか?」 悪いって言うより……。 「ひどい…」 「ひどい?何点だ?」 これ。 100点満点なんだけど…。 「…2…」 「2?」 「100点満点中…2点。」 「……」 やっちゃったねぇ。 1問しか合ってないんだけど。 これは―――。 「寝る時間無いと思えよ?」 「…はい。」 1から教えないとね。 「高1からやっていくから!」 「俺、3年だけど?」 「基礎が出来てなくていきなり3年のが出来るか?」 「いえ…。」 「だろ?ならさっさとやる!」 「はい!!」 その日は深夜の2時までやった。 最初のテストの半分は点が取れるようになった。 結構スパルタになったけど。
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