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━━━━我が身に力を与え、あの邪竜を滅せ!ホーリーレイ!
燃え広がる街の中心で暴れている竜に聖なる光は突き刺さる。
…が、刺さった光は竜の体内へと飲み込まれ…吸収された。
「そんな…っ!」
その魔法を発したのは、上級魔法使いのリニア=ルティスだ。
降り注ぐ火の粉を避け、後退し、詠唱する安全地を探す。
詠唱をしている時は無防備になってしまうからだ。
「次こそは…っ! 風よ、疾風の如く、あの邪竜を切り刻めっ!ブレイドストーム!」
周囲に燃え上がる炎を吹き飛ばす程の風力。
それが竜へと物凄い勢いで飛んでいき、竜に命中する。
竜はその場で体制を崩し、倒れた。
「やった…の…?」
ゴオオオオォォォォォォォォッ!!!!
「っ!?」
まだ沈黙はしていなかった。
それと、さらに活発化したとも言える。
攻撃を受けた竜はリニアの方へ顔を向け、街を火の海にしたブレスを吐く。
「あ…いやぁ…死に…たくない…っ」
リニアの瞳には恐怖という感情しか読み取れなくなっていた。
涙が零れ落ちる。逃げたくても恐怖で動けなかった。
(伝説の竜騎士様ぁ…私にお加護を…っ)
そして、リニアは竜のブレスの中にへと飲み込まれた。
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