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炎の中…とても熱い、体が焼けそうだ。
…だけど燃えていなかった。
目の前には人影が炎を体で受け止めてくれている
「竜…騎士様…?」
だが、そんな者はこの街にはいないはずだ。
では一体誰…?
「あっちち…なんとか間に合ったようだな。」
「ク…クィード!?」
周囲を囲んでいた炎が消える、どうやら吐かれたブレスは止まったようだ。
「全く…リニア、どうして逃げなかった?」
「私はSルームの生徒っ!アナタこそどうして…って…その盾は…?」
見覚えのない盾をクィードは持っていた。
白銀色のした大きな盾。
「あとで話すよ、マナが残ってるなら手を貸してくれないか?」
「指図しないでくれる?Aルーム生徒の癖に。」
クィードは苦笑の笑みを浮かべながらも前に向き直る。
「行くぞ…っ!」
クィードの持っている盾は光の粒子となり、消滅する。
それと同時にクィードは剣を引き抜き走り出した。
リニアはクィードの後ろを走りサポートに回る。
竜はまだこちらに気づいていない。
さっきのブレスで死んだと思い込んでいるのだろう。
だが、それでも前へと猛ダッシュする。
「リニア!マナ補給を頼む!さっきので結構消費した!」
リニアは走りながら詠唱を開始する。動きながらだと詠唱が遅くはなるが
気づかれていない為に、そこは気にしなくて済んだ。
「我が身の力を彼に宿し、力となれ…マナチェンジ!」
マナがリニアと入れ替わる。
そしてクィードのマナは一気に満タンとも言えるほどに溢れ出す。
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