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グルルル…ッ
竜がこちらの存在に気づくがもう遅い、足元までに到達している。
クィードは足元で立ち止まり詠唱を始める。
「我が身を絶壁する白銀の盾よ…今こそ我の手に姿を現せ!『ホワイトティルドラグニルシールド』!」
クィードの手に腕ごと覆うような大きな盾が召喚される。
それをさらに詠唱。
「これだけじゃ、辛いかもだからな…。我が武具、対焔の力を宿せ!フレイムエンチャント!」
白銀の盾と剣が炎のように紅く光始める。
属性付加。フレイムエンチャントだ。
竜は尻尾でクィードを薙ぎ払おうとする、だがクィードには無意味。
「カウンターシールド!」
地面に固定された大盾に竜の尻尾は弾かれた。
刹那、上からの踏みつけがクィードを襲う。
「…っ!? しま…っ!」
「地の精霊達よ、彼を護って!アースウォール!」
クィードの周囲の岩の塊が絶壁を作る。
そう、防御系魔法術は詠唱が早い。
「助かったぜ。リニア…っ!」
「マナを渡したんだからしっかり働いて!」
「残念だが、俺の仕事はここで終わりさ」
「…え?」
クィードが指を指す、リニアはその方向へと目を滑らせた。
「あれは…っ」
リニアが目にしたのは、飛翔している鎧を身につけた騎士だ。
「彼女は竜騎士、俺を助けてくれた人物さ、そして、俺の持っていた盾も元は竜騎士の物。」
「あの人が…竜騎士…」
飛翔した竜騎士、リュドミラ=フィスニールは竜の真上まで上がり、そのまま急落下する。
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