灼熱に包まれた街

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灼熱の街の中、対抗しようとする人々はいるが 全く、歯が立たないように見える。 「なぁ!勝てるのか!?」 「分かりませんけど…っ、私の道は戦うしかないのです。」 戦うしかない…? その言葉に疑問を抱いた。 どうして、死ぬかも知れないのに戦うのか? 身を護る為…? 「クィード君っ!来ますよっ!」 「了解だ!」 竜はこちらの存在に気づき踏みつけようとしてくる 鎧の女性は右へ、クィードは左へと分かれ、その一撃を避ける。 鎧の女性は避けた方向にある建物を利用して壁蹴りをし、 踏みつけてきた足へと飛び移り、そのまま走り竜にさらに接近する。 16歳とは思えない行動力だ。 クィードは竜と戦闘して敗れた者のだろうと思われる剣を拾い上げ 詠唱し、武器に属性…氷を付加する。 その氷剣で竜の足へ斬撃を入れるが、思ったより硬い…。 「チィ…ッ!かってぇぇっ!」 それでも斬撃を入れる。 振動が手に伝わり、痛みが腕を覆う。 より接近している鎧の女性は竜の肩を蹴って飛び、腰に下げている長剣を抜き放ち、竜の頭を目掛けて一閃。 だが、竜の頬をかすっただけだった。 空中にいる鎧の女性は苦虫を噛んだかのような顔をし、悔やむ それを狙ってたかのように竜の尻尾が鎧の甲冑を勢いよく殴り、そのまま建物の壁に叩きつけた。 「あぐぅ…っ!」 意識が飛びそうなほどの衝撃。 並みの人では即死だろう。
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