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激痛が全身を走り、動けなくなる。
そして…竜がこちらを向き、喉の部分が炎のように赤くなり始めた。
「…っ!ブ…ブレス…っ!?」
逃げようにも体が動かない。
…死を感じた。
鎧の女性は瞳を閉じ、終りを迎えようとした。
━━━━凍てつく氷壁よっ!我が身の盾となれっ!
「フロストシールド…ッ!」
その声に閉ざした瞳を開ける
目の前にはクィードが立っていた。
「ぐぅ…っ、あっちぃ…っ」
「クィード君っ!危険と感じたら逃げてって…っ!」
クィードは振り向かずにそのまま言った。
「綺麗事かもしれないけど…見捨てるのは嫌いでねっ!」
だが、氷壁はみるみる溶けて今にも砕けそうになっていた。
あと数秒ぐらいだろう。
何か手はないか…?
「…っ!」
地面から冷たい風が流れてくるのをクィードは感じた。
下に空間がある…?
「おいっ!お前っ!地面に強い衝撃を与えてくれっ!」
「わ、分かりましたっ!」
鎧の女性は長剣を持ち直し…
━━━━ホワイトティルドラグニル…ちょっとだけ力を…っ
「ッ!?」
その言葉にクィードは驚いた瞬間、地面が崩れ2人下へと落下した。
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