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しかし――
あっという間に、出口と私の間に入り込んだ彼。
「俺は知ってるよ。白坂依子さん。
家はこの上の302号室。昨日の夕飯は明太弁当、一昨日はオムライス。
最近海外のミステリー小説にハマってること…
まだ聞く?」
彼から出てくる私の情報が全て間違ってないことに驚き、恐怖を感じて一歩下がる。
「興味持って観察すれば、全部ココで分かることだよ」
フッと笑って、私の髪をスーッと撫でていく。
それは、くすぐったくて、思ったよりも嫌じゃない自分に戸惑う。
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