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とても美しい所でした。
豊かな森林に囲まれ、白亜の建物で作られた、美しい町並み。
遠くに見える、切り立った岩山が見守る様に雄々しく存在しています。
背後を見やると、そこには湖がありました。どうやら、そこからぼくは出てきたようです。
少女に導かれて町に踏み込むと、そこは音楽に満たされ、とっても活気に満ちた場所でした。そして、たくさんの誰かがいました。
彼女は、その誰かを友達と呼びました。
友達は、ぼくとも友達になりました。
少女のせかいは、なんというか、暖かいものです。見るもの全てが目新しく、ぼくは色々なものを知りました。
ぼくは堪能したのちに、自分のせかいに帰りました。すると、友達の中の一人がぼくに着いてきました。
そして彼を初めとして、段々とぼくのせかいに人が増えて行ったのです。
ぼくは人を知りました。友達もたくさんできました。人が好きになりました。楽しい、という感情を皮切りに、様々な感情を覚えて行きました。
でも、おかしいのです。
ぼくは友達といて楽しいはずなのに、少女がいないとどうも不安で胸が苦しいのです。
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