大財閥のお宅にお邪魔する

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蔵屋敷老婆に導かれるままに、先程の笑い声の聞こえる部屋へと入った。 寒気はここが原因か。クーラーが驚くほど利いている。 この部屋は日本人形の部屋に比べて、少しだけ明るい気がしたが空気はどんよりとしたままだった。 部屋の隅には、小さなタートルネックの少女がぬいぐるみで遊んでいた。寒いのならクーラーを消せばいいのに。 「ふっ、ふっ、ふっ。」 振り向く仕草を見せたが、我々は意に介さず、再び自分の世界に入っていった。 「あの子は?」 「誉田律様です。昨年の冬、ご主人様は身寄りのない律様を養女としてこの屋敷に住まわせました。」 この老婆の存在、そして養女の存在は聞いていない。どういうことだ。なぜ、誉はこの2人の存在を隠したのだ? 「あれです。」 蔵屋敷老婆の指差す方向を見ると、愕然とした。 あれが『クマ』の正体・・・。 俺は奈美と真理亜を、腰につけてあった無線機で呼び出し、2人をここに来させることにした。
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